耳管開放症について

今から少し前の話になりますが、音楽の音程が左右の耳で微妙にズレて聴こえる、という体験をしました。その日は一日中自室で仕事をしており、BGMとして、ある一曲の音楽を何回もリピートして聴いていたのですが、夕食から部屋に戻った午後8時頃のこと、何だか聴こえてくる音楽の音程が変であることに気づきました。右耳から入ってくる音と、左耳から入ってくる音の音程が少しだけ違い、気持ち悪いのです。

仕事柄、音の変化やバランス、音程のズレなどにはとても敏感であることから、このときはすぐにパソコンに接続していたオーディオ機器の設定を確認しました。しかし、設定におかしなところはなく、パソコンを再起動しても相変わらずスピーカーから聴こえてくる音はズレたままだったので、とても不思議に思ったのですが、このときにはまさか自分の耳が原因であるとはつゆにも思っていませんでした。

自分の耳に原因があることに気づいたのは、そのすぐ後に別室でテレビから流れてくる音を聞いたときです。テレビから聞こえる音もズレていたことから、ここではじめて自分の耳が原因かもしれないと直感しました。オーディオエンジニアをしているため、自分の耳のコンディションには常に注意を払っており、経年による可聴音域の範囲が変化することなどもあらかじめ知識としては知っていましたが、まさか左右の音の音程がズレて聞こえる日がくるとは夢にも思わず、とてもびっくりし、また焦りました。

その状態が固定化された場合は、音楽の仕事に確実に支障が出るどころか、音がズレて聞こえるというのは普通にしていても相当に気持ち悪いものであるため、音楽鑑賞も楽しめなくなってしまうかもしれないと思いました。そこで、急いでインターネットで検索をし、自分の耳に何が起きたのかを突き止めようとしました。そして、なるべく早くそうした症状に詳しい耳鼻科の先生に見ていただかなくては、とも思いました。

“音程がずれて聞こえる” などのワードで検索をした結果、”耳管開放症”という言葉が目に飛び込んできました。その疑いのある症例の中で、左右で位相がずれて聞こえる、というものがあったため、もしかしたらと思い、その翌日には、東京都大田区の蒲田駅近くの耳鼻科クリニックの予約を取り、その4日後に実際に耳を検査しました。なお、不思議なことに、音程がズレて聴こえた日の翌日の朝には、耳の状態もほぼ回復しており、受診の当日は右耳に自分の声が少しだけ響いて聞こえる程度となっており、音程の問題はすっかり解消していました。

診察の順番がきたので、先生に今の症状を伝え、その次にブースで聴力検査を行い、その後には唾を飲み込んで行う検査をし、最後に生活習慣やストレスの状況に関するアンケートを記入しました。約1時間程の検査の結果、先生からは初期の耳管開放症であると告げられ、心身のストレスマネジメントを行い、生活のリズムを整え、運動を定期的に行うなどして経過を見ていきましょう、とのアドバイスをいただきました。治療のアプローチには漢方やアロマセラピーなど、その方の症状に合った様々なものがあるとのことですが、私の場合は特段の漢方薬などの処方はなく、生活のリズムを整え、心をリラックスさせるということを日々心がけるといい、とのことでした。

以上が、私が体験した出来事となります。この症状は、性別でいうと女性の方の割合が高く、小児から高齢者までがかかりうるとのことですが、同様の症状で不安になられている方々の参考になればと思い、書かせていただきました。もし、似たような症状かもしれないとお思いの方がいらっしゃいましたら、色々な可能性を考慮しつつも、折を見てお近くの耳鼻科に検査に行かれることをお勧めしたいと思います。

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